夏の「リレーお話づくり」ご報告 #53
「うちの子、作文が全然書けないんです」
そう聞くと、
「文章力がないのかな」
「語彙力が足りないのかな」
「もっと本を読ませたほうがいいのかな」
と思ってしまいますよね。
でも、子どもたちと『お話づくり』をしていると、少し違うところで止まっている子が多いことに気づきます。
それは、
「何を書いていいかわからない」
というところ。
書く内容が思いつかないから、
鉛筆が進まない。
そして、
書かないから、当然「書くこと」にも慣れていきません。
ここで一度つまずいてしまうと、
作文の課題はどんどん難しくなっていきます。
「○○について書きましょう」
「原稿用紙○枚以上」
と、求められるものは大きくなっていく。
これでは、作文が苦手になってしまうのも無理はありません。
だから私は、
「作文を書かせる」前に、
まずは書く内容を考えてみることを大切にしています。
「どんなことが起きた?」
「そのとき、どう思った?」
「それからどうなった?」
「もし○○だったら?」
そんなふうに、一緒にお話を膨らませていきます。
すると、面白いことが起こります。
書き始める前は、
「何も書けない」
「何を書いたらいいかわからない」
と言っていた子が、いざ書き始めると……
「え、この言葉知ってたんだ!」
と思うような表現が出てきたりするんです。
「こんな言い方ができるんだ」
「こんなことを考えていたんだ」
「こんな言葉を知っていたんだ」
と、親や大人のほうが驚かされることもあります。
つまり、
書けなかったからといって、
言葉を知らないとは限らない。
頭の中にはちゃんと、その子なりの言葉やイメージがある。
ただ、それを「何を書こう?」のところで止めてしまっていたのかもしれません。
だからこそ、
『お話づくり』は、作文でつまずいている子の最初の一歩にぴったりなんです。
この夏、
私が行った「リレーお話づくり」でも、
作文が苦手だった子がいました。
(一文書いたら終わってしまうくらい)
でも、みんなでお話をつないでいくうちに、
少しずつ書けるようになっていきました。
そして最後には……
みんなで1冊の本を完成させたんです。

最初から長い作文を書かせたわけではありません。
まずは、
「どんなお話にする?」
から。
そこから、
思いついたことを少しずつ言葉にしていく。
その積み重ねが、
「書けた!」
につながっていきました。
だから、
作文が苦手なお子さんに、
いきなり「もっと書いて」と言う前に。
もっと気軽に、もっと自由に、
「書く内容を考える」ことから始めてみませんか?
上手な作文を書くためではなく、
まずは「書いてみる」
書くことに慣れるための時間を、
もっと気軽につくってあげてもいいのかもしれません。
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